その1 羊のドリーちゃん関節痛に悩む

北田園のお節介ショートストーリー1

羊のドリーちゃん関節痛に悩む

世界初のクローン羊として有名な英国の羊のドリーちゃんが
最近、関節痛に悩んでいるそうです。

一見、くだらないペットの話題のようですが、この問題は
とても深いのです。

と、いうのも、、、
クローンというのは通常の生殖細胞(卵細胞と精子)ではなく、ありふれた体細胞を
培養して大きくさせ、1個の生体にするわけです。

倫理の是非はともかく、一卵性双子児以外にはあり得ない、遺伝的に
全く同一の生体が誕生したことは驚くべきことでした。
誕生後もすくすく元気に育つくドリーちゃんの様子を見ると、人間の英知が
ここまで到達したのかと思わざるを得ませんでした。

が、、、

ここで問題なのは、生殖細胞はピチピチの生まれたて細胞ですが、体細胞は
すでに誕生以来、何回も分裂を繰り返した果ての遺伝子をもつ細胞である、
と言うことなのです。

細胞は細胞分裂を繰り返すうち、遺伝情報の誤り(突然変異)がひどくならないうちに
自らの細胞分裂を止めてその細胞を殺す(アポトーシス)という仕組みをもっていて、
それがガンやその他の不都合を生み出さないようになっているのです。

遺伝子的には遺伝子のいわゆるしっぽ(テロメア)が細胞分裂を繰り返すうちに徐々に
短くなり、ある一定の長さ以下になったところで細胞分裂をしなくなることがわかっています。

ドリーちゃんの場合も生まれる前からこの問題は心配されていて、
「寿命が短いのではないか?」
と、懸念されていました。

1997年7月5日、英国でクローン羊のドリーちゃんが生まれてから、4年半
経過したところで、羊のドリーちゃんの足が関節痛になってしまいました。
(2001年末現在)

羊としてもまだまだ「若い」ドリーちゃんなのですが、すでに「年寄り」のような
症状の「関節痛」を抱えてしまいました、、、
どうやら、

「生まれたばかりだけど、若年寄」

という懸念が現実の問題に
なっているのです。。。

人間の英知なんてこの程度なのか。。。

おおー!ドリー(英語的には poor Dolly かな??)

おわり。

2002年1月10日

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