1999年をふり返って

気象、温暖化について

1999年を振り返ると、近年の異常気象、特に温暖化が着々と訪れているなあ、と思います。
スモモは昭和35年(1960年)に父が植え付けたものですが、その収穫は長年に渡って7月20日が収穫最適の1週間の始まりの日でした。

しかし、1998年、1999年はその日が7月12,13日まで前進しています。スモモのその日のズレはほとんどの年が1,2日しか無かった過去30年間からすると、98,99年の1週間のズレがいかに大きいかおわかりかと思います。
開花時期も早まっているので、スモモに関しては冬期間の温暖化が非常に影響していると思われます。

ぶどうも夏の高温の影響で巨峰をはじめとする黒色ぶどうの着色が近年、すごく悪くなっています。
ぶどうは本来、8月の降雨が少なく、夜間も秋風で涼しくなる気候がベスト。
しかし、最近は25度を下回らない熱帯夜が増加していて昼間も暑く、夜も冷えません。
ここ所沢市でも都市化されクーラーの普及によって、ヒートアイランドになっているようです。

いもほりは例年10月末で終了します。これは11月になると寒くて土いじりが辛くなるという理由からでした。
しかし、99年は11月中旬になっても暖かかったですね。これも温暖化でしょうか?

農薬使用について

農薬とダイオキシンについては触れないほうが賢明な気がしますが、あえて少しだけ触れたいと思います(笑)
北田園では残念ながら?農薬を全廃する事は現時点では不可能であるといえます。
それは、お客様がキズや虫食い変形のない果実を求めている限りにおいてです。

現状でも7月以降はぶどうは袋がかかっていますし、農薬残留が無いとされる使用基準(時期と濃度)は厳守していますので、心配ないはずですが、目に見えない農薬、化学物質は使用しないに越したことはありません。

99年、試しにぶどうのキャンベルというやや古い品種で開花以降農薬を散布しなかったのですが、ちゃんと収穫できました。
農薬を予防的に散布することが多いのも問題か?とも思いますが、隣地にイチゴがあった巨峰の畑は同様に農薬を散布できなかったのですが、こちらは全く良い果実は収穫できませんでした。
やはり、最近の大粒で高級な品種ほど病虫害に弱い傾向があります。

今後、減農薬でキャンベルなどの古い品種が再び見直されるようになるのか、または、現状のまま農薬を使用しても見栄えの良い甘いぶどうが売れるのか、今現在では私にも判断できません。
私の子供も小さいので、なるべく使用したくありません。かと言って現在の品種を代えるのも勇気が要りますね。

最後にそれでも農薬が気になる方に私の祖父は100歳まで長生きできましたと申し上げておきます。
(祖父は果物好きで取ったものを洗いもせずにほおばっていました。ほうれん草のダイオキシンと同じで、食べる害より食べない害の方が大きいのかも知れません)

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