2002年をふり返って

そういえば、2001年はふり返っていませんでした。年月の経つのは早いですね。
2001年と2002年の北田園の一番の話題としては2年間試しに使った「フェロモントラップ」があげられます。ここではその詳細をお伝えいたします。

フェロモントラップ

これは、北田園ではさつまいもの葉っぱを食べるイモムシ(主にヨトウムシ=ヨトウ蛾の幼虫です)を
農薬無しでなんとか駆除できないかなあ、という発想で試しに使い始めました。
設置する前からフェロモントラップを使っても「完全無農薬は無理だよ」というウワサは聞いていたのですが、まあ、自分でやってみないとわからないですからねえ。
フェロモントラップとはメスの「性フェロモン」(ニオイ)をまねて作ったものでオスを集めて一網打尽にして、メスとの交尾のチャンスを無くしたり、攪乱させて害虫の個体を減らす

というものです。

2002年をふり返って2002年をふり返って

写真左)フェロモントラップ(2器)と捕まえたヨトウガのオス(少なくとも3~400匹以上かな)
写真右)矢印のところに疑似フェロモンを発散するカプセルをいれておきます

実際、2001年に2器を1年間使い終わってみると、確かにオスは7~800匹捕まっていましたが、さつまいもの葉っぱは相変わらず食害をされまして、殺虫剤(注1)のお世話になっていました。

注1)人体に影響ないように、分解が早く薬効がすぐになくなる物は、再発生が早く、散布回数が
多くなると言う矛盾もありますが、当園ではなるべく分解の早いと思われるものを使用しているつもりです。

「これは、1年目だからに違いない!2年目からはもっと害虫の個体が減るはずだ!」

と、思いまして、2002年もやはり2器を設置しました。
(うちの面積では1器でも十分なんです。ちなみに設置基準は1器あたり1haです。
北田園のさつまいも畑は2面合計でも0.35haほどです。)

2002年も相変わらずオスは捕まるのですが(写真参照)、さつまいもの葉っぱの食害は
止まりませんでした。暑い夏だったこともあって、害虫の個体は多いくらいに思えました。
ある友人からも

「フェロモントラップは害虫のオスを他のところから呼び寄せちゃうことにもなるからね」

と、言われてみればそうでした。
2年間北田園で使った結論は「フェロモントラップだけでは完全無農薬の実現はできない」です。
無農薬に越したことはないのですが。。。

所沢市にも農業補助事業(補助金がでる)にフェロモントラップがあげられていますが、
その要件はもっと広い農地一団の地域で行うようになっています。
かなり広い面積でやらないと、やはり意味無いですね。

じゃあ、今年2003年からどうするか?ですが、
昆虫の体を形成するキチン質の生成を阻害する人間には無害に近いらしい農薬-リンク参照を
使うとか、昔ながらの病気のヨトウムシを捕まえてすりつぶして水で薄めて畑に撒いて害虫の病気を
蔓延させる方法(やったことないです)、天敵となるカエル君の飼育(川とか池が近くにないので
実現不可かも)などを検討していく予定です。

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